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北海道石狩市花川北7条2丁目22番地

脳神経外科
neurosurgery

脳ドッグのご案内

人間ドッグは受けているけど…「脳ドッグ」は必要ですか?

「脳ドック」とは脳に重点をおいた専門の健康診断です。脳卒中や脳出血など人体に影響を与える脳の疾患を未然に発見・防止するために80年代後半から導入されています。
「人間ドック」は脳を含む心臓、胃など全身の器官の検査を行いますが、脳ドックでは脳の血管状態などより詳しい検査が可能です。MRIやCTといった機器を使い、ありとあらゆる角度で脳の断面などを撮影。脳疾患が潜んでいないかを検査いたします。脳の疾患は自覚症状がわかりにくく、気づいたら発症してしまったというケースがあるため、当院では精密な機器で疾患がないかを検査することをお奨めしています。
日本の三大死因のひとつでもある脳卒中などの脳疾患による死亡率は、少しずつ低下の傾向にあります。
これは国民の脳疾患に対する意識が向上してきているともいえるでしょう。ぜひ「脳ドック」で自分の脳の状態を知り、脳疾患について向き合ってみましょう。

こんな異変がでていたら…脳ドッグを受けましょう

脳は第二の心臓といわれるほど生命の中枢となっています。 脳の病は発症する前に異変が現れていても深刻にとらえないという方が多く、後に突発的に発病するという怖いケースが多いです。 昨日まで元気な方が突然発病してしまう…というケースは珍しいことではありません。 日常の生活で以下のような異変を感じたら、脳の状態を確認してみましょう。

  1. 頭痛や頭重感が続く
  2. めまい・立ちくらみが続く
  3. 歩行の際にふらつき意識した場所と違う場所を歩いてしまう
  4. 視力が低下したり、ものがゆがんだり二重になって見える
  5. 手や指が震える
  6. 舌がもつれて話しにくい
  7. 手足や顔面などにしびれのような違和感を感じる。力が入りにくい。
  8. もの忘れが著しく激しい
  9. 目の前が白くなったり黒くなったりすることがある
  10. 疲労時などに吐き気を感じることがある

以上のような症状が現れた場合は、脳疾患の危険信号です。
症状を放置したりせずに、検査をすることを強くおすすめします。

症状が現れる方に多い傾向

  • 高血圧
  • 糖尿病を患っている方
  • 肥満
  • 不摂生な生活を送っている方
  • 脳疾患を患っている家族や親族がいらっしゃる方
  • 飲酒・喫煙されている方

脳ドッグで見つかる主な脳疾患

くも膜下出血
脳を保護している膜は硬膜・くも膜・軟膜の3層があり、くも膜と脳の間の空間を「くも膜下」といいます。
このくも膜下にはり巡らされた血管が痛んで切れてしまうと出血が起こって、突然頭痛が走って意識を失ったり、激しく嘔吐するなどの症状を起こしてしまいます。切れる瞬間まで無症状であり検査をしないと自覚しにくいです。
脳動脈硬化
心臓から全身へ血液を送りだす血管(動脈)が硬くなり、血液を体内にうまく循環させることが困難となります。必要な酸素や栄養もさまざまな器官へ行き渡りにくくなり、血管が破れやすくなったり、組織が壊死してしまったりと全身に弊害が及びます。
また心臓に負担がかかるなど心疾患にもつながりかねません。
脳梗塞
脳をめぐる血管内に血栓と呼ばれる血の塊ができて血管がふさがり、脳細胞に血液を通して送っていた酸素・栄養が行き渡らなくなり脳に障害を及ぼす疾患です。前兆として口がまわらなかったりめまい・頭痛などの症状があらわれます。時間が経つにつれて脳細胞が壊死するため、発症した場合は1分でも早い治療が必要です。
脳動脈瘤
脳の血管である動脈の一部がコブのように膨らんでいる箇所を能動脈瘤といいます。これが破裂した場合、くも膜下出血が発症します。大きさや形、瘤ができる場所はさまざまです。
脳動脈瘤は必ずしも破裂するわけではありませんが、脳ドックの検査で発見することで破裂の予防を心掛けることができます。
脳腫瘍
子どもから老人までみられる脳疾患がこの脳腫瘍です。一概に「腫瘍」といっても良性、悪性などの種類があり症状の現れも異なります。
腫瘍の発生は脳に自然に発生する場合と多臓器のがんが脳に転移した場合の2種類です。頭痛や吐き気が主ですが、腫瘍の状態によっては発症しないこともあります。
脳出血
くも膜下出血と同様、血管が切れてしまう疾患です。
高血圧症、喫煙者、心臓病、肥満気味で飲酒の好きな方などは要注意です。高血圧との関わりは深く、血圧が上がった際に血管が切れてしまうというケースが多く、出血量が多いと意識が悪化し生命の危険を招きます。
また、先天的な問題で発症することもあります。
もやもや病
脳に栄養と酸素を送る太い動脈がつまり、それを補うために細い血管が枝上に分散しはじめ「もやもや」とした血管のように見えたためこの疾患名がつきました。幼児から思春期までの子どもにかかる若年型と30~50代を中心とした成人型があり、それぞれ症状は異なります。
頭痛や意識障害、痙攣、湿疹などを引き起こします。
アルツハイマー
認知症のひとつでもあるアルツハイマーは遺伝によるものが影響しており、お年寄りだけではなく、若者や成人も発症する「若年性アルツハイマー」もあります。
やる気がなくなり、疲れやすくなるなどうつ病に似た初期症状から痴呆に至ります。
アルツハイマーは脳ドックで早期発見することができます。

脳ドッグの検査法

MRI(磁気共鳴断層撮影)
放射線を使用せずに磁気の共鳴反応を用いて脳内の断面撮影をしてコンピュータで画像化し、様々な角度を立体的に見ることが可能となり、脳梗塞などの脳疾患を発見することができます。
MRA(磁気共鳴血管撮影)
MRIを使用して脳の血管撮影を検査します。副作用の可能性がある造影剤などの薬剤を使わずに鮮明に血管を見ることができます。
脳出血・動脈瘤などの疾患がないか検査します。
CT
別名「マルチスライスCT」とも言われておりコンピュータによって脳の内部構造を輪切り断層像を観察できます。